難病の患者への医療費助成について、厚生労働省は、助成の対象を原則として症状の重い患者に限ったうえで、患者が負担する医療費の割合を2割とし、年収に応じて1か月の負担の限度額を設けるなどとした制度の見直し案を示しました。
これは、29日に開かれた厚生労働省の専門家会議で示されました。
難病の患者への医療費助成について、厚生労働省は、再来年1月に制度の抜本的な見直しを行う方針で、対象とする病気を現在の56種類から300種類程度に増やす一方で、助成の対象を症状の重い患者に限ることを決めています。
29日示された見直し案によりますと、患者が負担する医療費の割合を2割としたうえで、1か月の自己負担の限度額を年収に応じて5段階に分け、3000円から4万4400円までを上限に負担を求めるとしています。
また、症状が軽い患者でも、高額の医療費がかかる場合は助成の対象にするとしています。
この見直しで、現在は医療費が無料になっている極めて症状の重い患者にも自己負担を求めることになることなどから、29日の会議では患者団体の代表から、「難病の患者は医療費を負担し続けなければならず、負担が重すぎる」などと見直しを求める意見が出されました。
専門家会議は引き続き協議したうえで、来月中をめどに報告書をまとめることにしていて、厚生労働省は来年の通常国会に難病対策をまとめた新たな法律の案を提出する方針です。
新制度の施行時期
難病対策の改革に必要な法案については、平成26 年通常国会への提出を目指し調整を進める。その施行に当たっては、十分な準備期間を置くことが必要と考えられることから、施行時期は法案が成立した後概ね1年後の時期が想定されるが、できるだけ早い時期からの施行が望まれていることから、すでに医療費助成の対象となっている疾患に加え、新たに医療費助成の対象となる疾患の一部については、平成27年1月を目途に施行することができるよう必要な調整
を行う。
自己負担の限度額区分
厚生労働省が29日示した、1か月の自己負担の限度額です。
▽夫婦2人世帯で、市町村民税が非課税で年収がおよそ80万円までは、3000円。
▽市町村民税が非課税で年収が80万円から160万円までは、6000円。
▽年収がおよそ160万円から370万円までが、1万2000円。
▽年収がおよそ370万円から570万円までが、2万4600円。
▽年収がおよそ570万円以上は、4万4400円となっています。
このほか、生活保護を受給している場合は負担を免除するとしています。

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